1年間におよそ91,000人が乳がんと診断され、40〜50歳代の女性で増加しており女性に最も多いがんです。
生涯で乳がんになる日本人女性は9人に1人と言われています。
乳がんで亡くなる女性は1年間に14,800人で40~60歳台では死亡原因のトップとなっています。
女性の年齢階級別罹患率(全国推計値、2015年)
(国立がん研究センターがん情報サービス)
【乳がんの発生要因】
乳がんの発生には女性ホルモンのエストロゲンが深く関わっています。初経が早く(11歳以下)閉経が遅い(55歳以上)、初産が30歳以上、出産経験がない、授乳経験がない、閉経後の肥満、家族(祖母、母、姉妹)に乳がんや卵巣がんにかかった人がいる(遺伝性乳がん卵巣がん)などが乳がんにかかる危険性を高めます。
【マンモグラフィ】
透明なプラスチックの板で乳房を平らにしてX線撮影。痛みを伴うこともありますが、感じ方は人によって違います。10分程度かかりますが圧迫する時間は数十秒です。マンモグラフィで発見される乳がんの70%以上は早期がんで乳房温存術を受けることができます。
【乳房エコー】
乳房エコーでは発見できない腫瘍が見つかることがあります。痛みはありません。
※マンモグラフィと乳房エコーを併せて受けることをお勧めします。
※当院では女性の放射線技師が行います。
※40歳を迎えたら、2年に一度乳がん検診を受けることが国の方針で勧められています。しこりなど自覚症状がある場合は速やかに医療機関で診察を受けて下さい。
※鹿児島市内の産婦人科医院でマンモグラフィ検診を行っているのは当院のみです
(子宮がん検診と乳がん検診が一緒にできます)。
異常を認め精密検査が必要な場合、乳腺外科の病院に紹介しています。
乳がん検診は完全予約制になっていますので必ず予約のうえ受診してください。
※当院では3名の検診マンモグラフィ読影認定医が読影します。
<特徴>
卵巣が腫れて大きくなったものです。その種類も様々で、おおきくわけ『嚢胞性』(=その多くが良性)と『充実性』(=その多くが悪性)の2種類あります。卵巣腫瘍は「無症状腫瘍」ともいわれ、症状が出にくいことが特徴です。そのためにも、定期健診による早期発見が大切です。
触ると柔らかく、中には水様性のものが入っている
・充実性腫瘍
触ると固く、中には固形組織物が入っている
<症状>
小さいうちはほとんど症状はありませんが、大きくなると腹部膨満感(お腹が張る)、下腹痛、頻尿、不正出血、月経異常などいろいろな症状が出てくることがあります。
また茎捻転(卵巣の根元がねじれてしまう)が起こると激痛が起こり、緊急手術が必要な場合があります。
<診断>
・超音波検査
・卵巣腫瘍マーカー
・MRIなどの画像診断
これらを総合的に判断します。最終的には摘出した腫瘍の病理検査で判断します。
<治療>
良性腫瘍は、当院で腹腔鏡手術もしくは膣式手術を行います。
悪性腫瘍の疑いがあれば高次病院へ紹介します。
a:腫瘍摘出手術:A+B
b:腫瘍核出手術:Aのみ
c:付属器摘出術:A+B+C
d:子宮及び付属器摘出術A+B+C+D
卵巣腫瘍は、初期では自分でなかなかわかりにくい病気です。年に1回子宮癌検診と一緒に超音波による卵巣腫瘍検診を行う事をお勧めします。
~今後結婚・妊娠を考えているがいろいろな病気が心配なあなたへ~
当院では性行為感染症を含め結婚前に次のような項目で感染症検査を行っています。
ご希望のある方はご相談ください。
原則自費の検査となります。
1.
梅毒(TPHA定性)
2.
ヘルペスウイルス
3.
B型肝炎ウイルス(HBs抗原)
4.
C型肝炎ウイルス(HCV抗体)
5.
エイズ(HIV抗原・抗体)
6.
クラミジアトラコマチス抗原同定検査
7.
淋菌拡散同定精密検査
8.
トリコモナス検査(顕微鏡検査)
性感染症は文字通り性交=セックス行為によりうつる病気の事です。最近急増しているクラミジア感染症や性器ヘルペスは、女性がこのような病気にかかった場合、おりものに異常が出るだけではなく、不妊症の原因となったり、妊娠しても流産や早産になりやすく、生まれてくる子供にまで影響を及ぼすこともあります
性行為の後、次のようなことがあれば要注意
□ 外陰部の周りにしこりや水泡がある
□ おりものの色や量がおかしい
□ 下着に血がにじむ
□ 下腹部が痛い、重い
□ 排尿時に違和感がある
□ 何か熱っぽい
□ 体がだるい
〇クラミジア感染症
性行為感染症の中で最も多い病気で、クラミジア・トラコマティスという微生物の感染によるものです。男性の場合排尿痛などの症状が出ることが多いため発見が早く治療を受けやすいのですが、女性の場合症状が出にくく治療が遅れることが多いです。主な症状は、黄色くて粘りのあるおりもの・下腹部痛・排尿痛などで、治療が遅れると子宮内膜炎→子宮付属器炎→骨盤腹膜炎と進行し不妊などの原因ともなります。
<診断>
●抗原検査→子宮出口の細胞の検査
●抗体検査→血液検査(IgA:活動性の感染、IgG:感染の既往)
<治療>
ご本人及びパートナーともに同時に抗生剤による内服治療
〇性器ヘルペス
ヘルペスウイルスに感染して起こる感染症で、外陰部や膣、肛門周囲に赤い水泡ができたり、潰瘍になって痛みを伴ったり排尿の際しみたりします。一度感染をすると、疲労や体の抵抗力の低下などをきっかけに再発することがあり、日ごろの体調管理が必要です。
<治療>
抗ウイルス薬の軟膏
ひどい場合、繰り返す場合→抗ウイルス薬内服を付加
〇トリコモナス膣炎
トリコモナス原虫による感染で、子宮頚管や膀胱、尿道などにも感染します。泡沫上の濃い黄色のおりものが多くなり、ただれが生じかゆみや痛みが出てきます。
<診断>
おりものを顕微鏡で観察をし、トリコモナス原虫の確認
<治療>
2週間膣錠挿入+内服治療 パートナーも同時に内服治療が必要です。
〇尖圭コンジローム
ヒトパピローマウイルス感染によるもので、女性の場合外陰部や肛門周辺に、男性の場合亀頭や包皮、陰嚢、肛門周辺に小さないぼ状の腫瘍ができる病気です。ヒトパピローマウイルスは、子宮頸がん発症との関連も指摘されており注意が必要です。
<治療>
薬物焼灼、内服治療